【マイホーム売却3,000万円特別控除】の仕組みや手続き方法を解説

このページでは次の情報をお伝えしています。

『マイホーム売却時の3,000万円特別控除の仕組みと手続き』

『マイホーム売却時の3,000万円特別控除の疑問を解決』

 ・空き家適用期間はいつまで?

 ・土地のみの場合はどうなる?

 ・住宅ローン控除との併用は可能?

『【3,000万円特別控除】と【 10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例】は併用可能』

【3,000万円特別控除】の 仕組みと手続き

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」という制度があり、マイホームを売却したときには、譲渡所得の3,000万円までが控除できます。

所得税は所得(収入から経費を差し引いたお金)にかかる税金ですので、モノを売って所得がある場合には所得税を支払わなくてはなりません。

しかしマイホームを売却した場合には、諸事情を考慮し税金が軽減されるようになっています。

【3,000万円特別控除】の 仕組み

1. 「マイホーム」、または「マイホームと土地(借地権)」を売る場合に譲渡所得の3,000万円までは課税対象から除けます。

2. 住まなくなってから、適用を受けられるのは3年後の年の12月末まで。

3. 家を取り壊した場合は、譲渡契約が1年以内であり、譲渡までに貸駐車場などの別の用途で収入を得ていないこと。

4. 売った年、前年、前前年に、同じ特例を受けていないこと。被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例は除きます。(相続時の居住用財産を売ったとき)

5. 売った年、前年、前前年に「マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例」を受けていても、申請ができません。

6. 上記と同じ期間で、「マイホームの買換えやマイホームの交換の特例」を受けている場合も、この制度は使えません。

7. 「収用等の場合の特別控除など他の特例」を使っていないこと。

8. 災害で住まなくなった場合は、3年後の12月末までが利用期限です。

9. 売り手と買い手が、親族や親子企業などの、特殊な関係であってはいけません。

10. 住宅借入金等特別控除または認定住宅新築等特別税額控除の適用を、売った年、前年、前前年に受けている場合も申請できません。

11. 仮住まい、特例の為だけの居住、趣味・娯楽・保養のための家屋は適用外になります。

1~11にあるように、一般的なマイホーム売却においては、この制度が利用できます。一般の人がマイホームを売却したときに掛かる税金を軽くして補助する制度です。税金対策としての、身内同士での譲渡は、適用外となっています。

【3,000万円特別控除】の 手続き

申請の方法は、所轄の税務署に、

◇譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]

を添えて、確定申告をすることです。

もしマイホームを売ったときに(売買契約前日に)、住民票がすでにマイホームの住所が違っている場合には、住んでいたことが分かる書類が必要になります。※例:戸籍の附票の写し、消除された戸籍の附票の写し 等

【3,000万円特別控除】の 疑問点まとめ

【3,000万円特別控除】の よくある疑問点と回答をまとめました。

空き家適用期間はいつまで?
住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで。
土地のみに適用できるか?
土地のみの場合は居住していたことが条件。譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内。
住宅ローン控除併用は可能か?
住宅ローン控除との併用はできません。
売却時の3,000万円控除される税金と、購入時の住宅ローン控除の計算額を比較して、
お得な方を選ぶのが良いです。

【3,000万円特別控除】の 空き家適用期間

居住していたことが必須条件になります。

「住まなくなってから、適用を受けられるのは3年後の年の12月末まで」です。

【3,000万円特別控除】土地のみの場合

こちらもマイホームとして使っていたことが要件です。

「譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内」と短い期間になっています。

また、貸駐車場などの別の目的で供していないことも条件です。

【3,000万円特別控除】住宅ローン控除併用はできない

住宅ローン控除と併用はできません。

【3,000万円特別控除】と【住宅ローン控除】のどちらが節税になるのかは、その時の内容によって違います。

「住宅を売却して、購入する」といった「買い替え」をする場合は、どちらが節税となるか比較して検討するのが良いです。

内容によって変わるため、計算をして決める、もしくは専門家に相談することをお勧めします。

見極めるポイントは、「売却の譲渡益が高いか」と「年末ローン残高がどのくらいか」です。

【3,000万円特別控除】と【 10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例】は併用可能

【3,000万円特別控除】と併用して利用できる軽減税率の特例として、【 10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例】があります。

これは10年以上所有していた居住用財産を譲渡する際に掛かる税金が軽減される、というものです。譲渡所得税や住民税を合わせて約20%ほどの税率が14.21%まで抑えることができます。

ただ【3,000万円特別控除】で3,000万円控除されるので、それを超える譲渡所得があるときに有益です。

例えば、9,000万円で売却し、売却諸経費と取得費が5,000万円だった場合に、譲渡所得が4,000万円となります。3,000万円は控除できるので、4,000万円-3,000万円=1,000万円の部分に軽減税率が適用できます。

税金を考えておくこと

不動産を売却するときには、額が大きなものとなります。

扱うお金が大きいと、それに伴う税金も額が大きくなります。

思わぬ出費となって慌てぬように前もって事前に把握しておくことが重要です。

【3,000万円特別控除】も、【 10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例】も、自動的に適用されるものではないので確定申告を忘れずに行いましょう。

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